2011.12.18 (Sun) FERRARI IN SOUP

FERRARI IN SOUP

~ブリュンヒルド・メイヤー・フェラーリ氏と
ジャクリーヌ・コー氏来日記念~
日本初上陸のドキュメンタリー映画上映と音響作品上演!

音響芸術の異端児としてカリスマ的人気を誇り、2005年に急逝したフランスの作曲家、リュック・フェラーリ。その活動においてキーパーソンであった映画監督のジャクリーヌ・コー氏、そしてフェラーリ夫人で作曲家のブリュンヒルド・メイヤー・フェラーリ氏を招いて、日本初上陸となる最新映画を上映します。ジョン・ケージからリッチー・ホーティンまで、実験音楽の覇者たちによる豪華な顔ぶれが揃う「プリズムの色、時間のメカニック」。フェラーリの音楽作品に深く迫った「引き裂かれた交響曲の物語」。そしてフェラーリ夫人の極めて個性的な音響作品「Tranquilles Impatiences」。ファン垂涎モノの貴重な映像と、Soupの魅力的なサウンドシステムに支えられたフェラーリの音のエスプリを、たっぷりとお楽しみ下さい。

2011年12月18日(日)
15:30開場/16:00開演
料金:2000円
問:メール ferrariinsoup@gmail.com (渡辺)
Soup 03-6909-3000

映画「プリズムの色、時間のメカニック」(96分、2009年)
制作&監督:ジャクリーヌ・コー 作:ダニエル・コー

映画「引き裂かれた交響曲の物語」(54分、2010年)
監督:ジャクリーヌ・コー

音響作品「Tranquilles Impatiences」(20分25秒、2010年)
作曲:ブリュンヒルド・フェラーリ

※フラットスペースでの上映です。定員目安40~50名迄。

協力(敬称略):Soup/同志社大学今出川校地学生支援課/椎名亮輔/バティスト・フランソワ/布山陽介

■ブリュンヒルド・メイヤー・フェラーリ
リュック・フェラーリの妻であり作曲家。’Association PRESQUE RIEN’を主宰。
http://www.lucferrari.org/

■ジャクリーヌ・コー
フランスの音楽学者で映画監督。フェラーリ夫妻の音楽について最も深い理解者の一人。
http://www.jacquelinecaux.com/

プログラム紹介

■プリズムの色、時間のメカニック(映画 96分、2009年)
制作&監督:ジャクリーヌ・コー/作:ダニエル・コー
この映画は、偶然性の音楽/ミニマルミュージック/反復音楽/ポストモダン音楽/テクノの間に存在するつながりについて音楽学者/評論家であるダニエル・コーの視点から物語るものである。
この映画で私たちが出会うのは──ポーリーン・オリヴェロス、ラモンテ・ヤング、テリー・ライリー、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラス、メレディス・モンク、ギャヴィン・ブライヤーズ、リッチー・ホーティン、そしてジョン・ケージ。
これらの音楽家たちが、この映画のために、新作や歴史的作品を披露し、その音楽の起源や進化について語ったのである。私はこの映画が、20世紀の音楽創造の重要なシーンが音楽家達によって密接に結びつけられている、という証言となることを意図した。この映画は音楽活動家、ダニエル・コーへのオマージュである。
(J. Caux)

■引き裂かれた交響曲の物語(映画 54分、2010年)
監督:ジャクリーヌ・コー
リュック・フェラーリの音楽作品《引き裂かれた交響曲》に基づく
─映画で聴く電子音楽の異才~リュック・フェラーリ~─
フェラーリの豊かな音楽世界がどのように映像化されるのか。
音とイマージュの織り成す、ほとんど官能的な夢の世界が繰り広げられる。
(椎名亮輔/音楽学者[音楽美学、音楽哲学]、同志社女子大教授)

■Tranquilles Impatiences -じりじりした静寂- ステレオのための
(音響作品 20分25秒、2010年)
作曲:ブリュンヒルド・フェラーリ
1977年、リュック・フェラーリはまず“そして音はガリーグをめぐる”を、同じ年に“即興の練習”を作曲した。この2つの作品──テープと自由楽器のための──は、同じ要素をベースにしている。“即興の練習”は7つの別々のテープが連なって構成されているが、“そして音はガリーグをめぐる”は1 つのテープをミックスしたものだ。この2つの別な要素を持つ曲から、私は、新しい曲を作りたいと熱望し、7つのテープのうち5つを自由に使った。私にとって、じりじりした性急さというのはリズムのある高い音だ。そのたゆまずにぴちぴちと震える高音は低音に介入し、その矛盾したリズムに従って虚ろな静けさを呈する。だんだんと、知覚バランスがぐらぐら狂っていくような、そんな感覚を楽しんでもらえたら幸いである。
(ブリュンヒルド・フェラーリ)